太古の生きもの館コラム

VOL.12いつでも露頭2

化石保護技術員 奥岸 明彦

いつでも露頭の紹介2回目は春日神社です。

前回紹介した篠山城の近く、北へ向かって徒歩で5~600メートル行った所に春日神社は有ります。国の重要文化財である能楽殿や市指定文化財の黒新馬(絵馬)を展示してある絵馬殿など見所も多く、私が大好きな神社の一つです。

さて、神社のどこに露頭があるのかというと、正面の鳥居を潜って参道を歩いて行くと左手に手水舎(手を洗ったり口を漱いで清める所)が見えてきます。そのすぐ後ろが岩の丘になっており、階段を上ると丘の上にある黒岡の愛宕神社に行く事ができます。その岩の丘が全て「篠山層群」の露頭です。風化していて少々分かりづらいですが、地層が篠山城に向けて斜めに下るように傾いています。逆に篠山城の地層は春日神社に向けて傾いています。簡単に言うと春日神社と篠山城の露頭は、地面の中でぐにゃりとUの字に曲がって繋がっています。直線距離で400メートルほどという狭い範囲で曲がっているというのは地層としてはなかなか珍しい事です。

今回春日神社を紹介するための写真を撮影しに行った際、発掘作業の安全と良い化石がたくさん見つかるようにお願いしておきました。篠山層群の上にある神社の神様なら御利益があるはず…と思いますが少々欲深過ぎて神様は呆れているかもしれません。

(露頭は見て触れるのは構いませんが、化石を探そうと削ったり崩したりするのは絶対にダメです)

丹波篠山市ホームページ

https://www.city.tambasasayama.lg.jp/soshikikarasagasu/bunkazaika/kaseki/index.html