太古の生きもの館コラム

VOL.11いつでも露頭1

化石保護技術員 奥岸 明彦

これまで篠山層群から見つかる化石や発掘に関する事、恐竜の話など地層に関係ある様々なお話をしてきましたが、今回から何度かに分けて、いつでも見て触れられる露頭(いつでも露頭)を紹介していこうと思います。

いつでも露頭の紹介というと、前回お話した宮田の露頭を思い浮かべるかもしれませんが、宮田の露頭は許可なく自由に見たり、触れたりすることができません。

という事で、誰もが自由に触れることができる「いつでも露頭」の紹介第一回目は篠山城です。

え?お城?と思われるかもしれませんが、実は篠山城は篠山層群の露頭に石垣をくっ付けたり岩盤を削って堀にしたりして出来ています。簡単に言えば大きな岩の丘を利用してお城が造られているのです。大切な文化財なので石垣を崩して地層を観察するなどの破壊行為は絶対だめですが、そんな事をしなくても露頭を間近で見る事が出来ます。例えば大書院のとなりに青山神社が有りますが、正面から見て鳥居の左側に露頭と石を組み合わせて石垣が造られています。篠山層群の中でも礫岩と砂岩から成る硬い地層なのでそのまま石垣に利用した様です。その他にも堀の水を清掃作業などで抜いた際、堀の大部分が岩盤で出来ているのが分かります。

もしかしたら恐竜が化石となって眠っているかもしれない場所に歴史あるお城が造られているなんてロマンの塊です。

篠山城跡内石垣(篠山層群の露頭を利用して造られた)

丹波篠山市ホームページ

https://www.city.tambasasayama.lg.jp/soshikikarasagasu/bunkazaika/kaseki/index.html