太古の生きもの館コラム

VOL8 太古の生きものたち・哺乳類編

化石保護技術員 奥岸 明彦

今回は久々に篠山層群で発見された太古の生きもののお話です。

恐竜やトカゲなど、様々な生きものの化石が発見されている丹波篠山市宮田の発掘現場ですが、なんと!私たち人類の遠い親戚筋にあたる哺乳類の化石も見つかっています。

学名はササヤマミロス・カワイイ。哺乳類の中でも真獣類という人類と同じグループに属しています。ササヤマミロスの子孫が直接私たちに繋がっている訳ではありませんが、白亜紀前期の哺乳類の中では人類の祖先である生きものとかなり近い関係にあったと思われます。

そのササヤマミロスはどんな哺乳類なのかというと、体長は約十~十三センチで一見ネズミに似た容姿をしていますが、ネズミとは全く違う生きものです。さらにササヤマミロスは発達した臼歯(奥歯)を持っているのが特徴で、主に昆虫を食べていたと考えられています。学名にカワイイとありますが、小さくて可愛いから名付けたという訳ではなく、丹波篠山市出身で、世界的にも著名な霊長類学者である故・河合雅雄さんにちなんでつけられました。(男性名をラテン語の所有格で表す場合、末尾にiを付けるためカワイ+iでカワイイとなる)

一般的な人気や知名度という意味では恐竜類(化石)が一番だと思いますが、学術的な重要性や価値では私たち人類が属する哺乳類に勝るものは有りません。ササヤマミロス・カワイイってすごいんです!

ササヤマミロス・カワイイ復元模型

ササヤマミロス・カワイイ復元模型

 

丹波篠山市ホームページ

https://www.city.tambasasayama.lg.jp/soshikikarasagasu/bunkazaika/kaseki/index.html