2018 WINTER 太古の生きもの館だより

来年に向けて                    篠山市 化石保護技術員  奥岸 明彦

今年も残すところ約一か月です(執筆時点で)。『今年のまとめ』という訳ではありませんが、色々と楽しみな事が進みつつあるので今回は皆さんにお伝えしようと思います。

まずは篠山市宮田(みやだ)にある化石産地の整備についてです。宮田は現時点で日本最古の真獣類(哺乳類)であるササヤマミロス・カワイイの化石や、新種のトカゲ類、パキゲニス・アダチイなど多くの化石が発見されているとても重要な化石産地の一つです。

宮田で今後も化石の発掘や地層の研究を進めていくために露頭(岩盤)の整備を行います。露頭の整備とは除草や伐採、岩盤表面の清掃、風化や盗掘防止のための措置を行う事です。一度に全てを整備する事は難しいので、重要な箇所から徐々に進めて行く事になります。

十二月中に第一段階が完了後、敷地の直ぐ傍にある『篠山市立西紀中学校』の生徒のみなさんと共に地層や化石の学習・調査を行います。今すぐにという訳にはいきませんが、一般からの参加者募集も検討しています。

次に『太古の生きもの館』の展示室一部改装が着々と進んでいます。少々予定より遅れますが12月末までには半分公開、翌年の3月末までには全て公開を目指しています。改装中は殆どの展示物を撤去しているためとても殺風景な展示室になっていますが、完成するまで少しばかりお待ち下さい。