太古の生きもの館コラム

VOL10 宮田大規模発掘

化石保護技術員 奥岸 明彦

今回は9月の後半から予定している宮田(ササヤマミロスの発見地)の大規模発掘についてのお話しです。

丹波篠山市宮田では月に3~4回、私と化石調査ボランティアで発掘調査を行っていますが、少人数での作業なのでどんどん調査が進むという訳にはいきません。そこで今回は兵庫県立人と自然の博物館と協力して大規模な発掘を行い、一気に調査を進めようという試みです。

発掘調査というと岩盤(地層)の上から徐々に掘り下げていくというイメージを殆どの方が持っていらっしゃると思いますが、宮田の発掘はその方法が使えません。なぜかと言うと、岩盤が大きく傾いて斜めになっているからです。丹波竜の発掘調査をした際も三十度くらい岩盤が傾いていましたが、何とか上に立つ、もしくは座る寝そべる等しながら発掘する事が出来ました。ところが宮田の場合は四十度以上傾いており、上に乗ろうとしても滑り落ちてしまうため通常の方法では作業が出来ません。ですから今回は工事業者の方に地層の種類(泥岩・砂岩・礫岩)ごとに重機で岩盤を砕いて平な広場に運んで山積みして貰い、それを化石発掘体験イベントの時のように我々で石割調査を行います。調査が必要な砕いた岩が大量に出るため、ゆくゆくはボランティア募集をして、一般の発掘未経験の方にも調査に参加して頂けるようにしようと思っています。

すでに未発表の物も含め沢山の化石が見つかっている宮田ですから、今回の大規模発掘調査でも色んな化石が出てくるのはほぼ間違いないでしょう。今日も来たる日に向けて準備をしながらワクワクが止まりません。が、ほんの少しだけ(もしも何も無かったらどうしよう)というドキドキもあります・・・。

宮田重点保護区域の露頭  宮田重点保護区域での調査

宮田重点保護委区域の露頭    宮田重点保護区域での調査の様子

 

丹波篠山市ホームページ

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