「空から観る、撮る 川代渓谷ラインパーク ドローンで新発見!恐竜と里山の共存」開催レポート

2018年8月3日(金)、4日(土) 川代渓谷ラインパークにドローンフライヤーの方々が集まり、雄大な里山の風景や古代の地層をドローンにて撮影するイベントが開かれました。篠山市から丹波市にかけて広がる1億1000万年前の地層を間近に見られ、また丹波竜を始め希少な古代の哺乳類等の化石も発見されている悠久の歴史の風景が広がる川代渓谷ラインパーク。このイベントは、その風景をドローンで空から撮影することで、今まで誰も見たことのない視点から見た川代渓谷ラインパークの魅力を全国に発信するために開催されました。

丹波市、近隣市町を始めとして県外からも、8名のドローンフライヤーの方々が、川代渓谷の風景を撮影すべく会場に集まりました。

 

イベント開催の流れ

まず、丹波市在住の空撮アーティスト前田太陽氏による、趣旨説明やドローン撮影の方法・マナー等について説明が行われ、その後めいめいに撮影ポイントに移動。

ブリーフィングを行う前田太陽氏

 

説明を受けるドローンフライヤーの方々

 

 

今回の撮影スポットは、以下の4スポットです。

①篠山川の東西4kmに渡る奇岩・怪石、珍しい地形が見どころ「川代公園」

川代公園は篠山川の東西4kmにわたって続く奇岩、怪石の渓谷で、川岸に植樹されたソメイヨシノなど、サクラの名所としても知られる名勝地です。川の小さな穴に溜まった小石が、豊富な水流で回転し、長い年月を経て穴が大きくなった「ポットホール」が随所に見られます。吊り橋、キャンプ場などがあります。

 

②豊かな水量の河川、深い緑や鉄道の風景も見られる「篠山清掃センター」周辺の渓谷

篠山清掃センター前にかかる橋からは豊かな水量の河川、それに沿うように走る線路や目に鮮やかな深い緑を楽しむことができます。渓谷は大きく隆起しておりその迫力は川の水とともに丹波地域の自然の豊かさを集めたような風景になっています。

 

③丹波竜化石発見地間近の国有形文化財「上滝発電所記念館」付近

上滝発電所は大正11年に竣工し、昭和38年まで稼働していました。
丹波竜(タンバティタニス・アミキティアエ)発見地の直ぐ側に立地していたこともあり、保存・改修工事を行い新たに発電所記念館として竣工しました。当時のレンガ造りをそのまま活かしています。現在丹波竜の発掘現場はコンクリートで覆われており、イラストが書かれています。国有形文化財に登録もされている発電所資料館です。

 

④豊かで迫力のある川の流れと吊橋、自然と建造物の調和が楽しめる「広田の吊橋」

この吊り橋にはふたつの楽しみ方があります。
一つは丹波市唯一の吊り橋の真上から眺める渓谷と、川の穏やかな流れ。もうひとつは吊り橋奥から降りた川辺にて間近に感じる、迫力ある川の流れ。また遠くに見える吊り橋がアクセントになり、自然と建造物が調和した景色を楽しめます。

 

どこを撮っても、人の目線で見ても絶景のスポットですが、これを空から見下ろすとどのような風景になるのか。猛暑日の中、フライヤーの方々は風景に魅せられるように何度もドローンを飛ばします。

イベント開催は2日間。1日目の夜は、それぞれのデータを見ながら、懇親会が開かれました。

2日目も1日目と同じく快晴の中ではありましたが、午前中の風景はまた趣が違い、

各ポイントにてより良い映像・写真を求めて撮影を行いました。

その後、映像を提出し、兵庫県丹波県民局長、

上久下自治協議会、丹波新聞社の荻野社長を審査員に、映像と写真の厳正な審査が行われました。

 

表彰式は、上久下地域のサマーイベントで開催!

 

審査をくぐり抜けて高評価を得たドローンフライヤーの方については、

上久下地域のサマーイベント内で表彰式が行われました。

イベント内では、氷上吹奏楽団による演奏も

入賞したドローンフライヤーさんと作品

 

一位・丹波県民局長賞 を受賞したのは、フォトグラファーの梅津まいさん。

 

梅津さんの撮影した静止画
梅津さんが撮影した静止画

 

梅津さんが撮影した動画

梅津さんはこの動画を撮影する時、

迫力ある川の流れを撮影するため水面ギリギリから地層にもうんと近づけて撮り、

その後ぐんと空高くドローンを上げることで、川代渓谷の自然の魅力を表現できるよう

気をつけたのだとか。

 

 

二位・上久下地域自治協議会 会長賞を受賞したのは、フォトグラファーの山崎純敬さん。

山崎さんが撮影した静止画

 

山崎さんが撮影した動画

 

山崎さんは、丹波竜発見地近くでこちらの動画を撮影されました。

川沿いに一億一千万年前の地層がある、自然の造形美を伝えると同時に、

発電所や発見地も映し、人工物と自然のコラボレーションを伝える動画になっています。

 

三位・丹波新聞社長賞を受賞したのは、丹波市民レポーターの木下 武さん。

木下さんが撮影した静止画

 

木下さんの撮影した動画

 

木下さんは、丹波市の住人が目にすることの多い、白鷺などの水鳥の目線を意識して撮影されました。

ドローンを水面ギリギリに寄せて水流豊富な川の迫力を演出し、ラストシーンの

川面に山の木々が映りだしているところも見どころです。

入賞されたお三方の作品はその後、

サマーイベント内にて上映会を行い、上久下地域の方にも楽しんでいただきました。

 

参加されたドローンフライヤーの方からは、このように雄大な自然の風景の中を

自由に飛ばしながら撮影する機会が少なく、今回は貴重な機会に参加できて嬉しかったと、

喜びの声が聞かれました。

関連展示情報

 

表彰式の舞台にもなった丹波市山南町の上久下地域にある

「丹波竜の里公園」横の建物、元気村かみくげでは、丹波地域フィールドミュージアムついて、

よく分かるパネル展示を始めとし、フィールドミュージアム内化石発掘体験で発掘された化石など、

希少な展示が8月いっぱい、土日限定で行われています。

フィールドミュージアムをよりよく知っていただける展示になっていますので、

夏休みの自由研究の傍ら、ぜひいらしてくださいませ。