「え!こんなところに篠山層群?」
世界の恐竜化石産地の多くは、人里離れた山奥や砂漠の中にありますが、「篠山層群」は公園の中や河川敷、神社の境内などにひょっこりと顔を出しています。丹波篠山市の文化財に寄り添うように「篠山層群」の地層が現れていることをご存知ですか。
今回はそんな観光スポットを2箇所ご紹介します。
【篠山城跡】 兵庫県丹波篠山市北新町
1609年徳川家康の命により「天下普請」で築かれた平山城(国指定史跡)、城跡が「篠山層群」の上に立っており、一部露頭を見ることができます。
「篠山城は篠山層群の露頭に石垣をくっ付けたり岩盤を削って堀にしたりして出来ています。簡単に言えば大きな岩の丘を利用してお城が造られているのです。」(※太古の生きもの館コラムVOL11より)
大書院の右から奥へ進みます。篠山城跡で見ることができる篠山層群は大書院の南側の石垣に露出しています。(写真正面)
石垣の中に見えているのが、篠山層群の地層です。
地層が傾斜している様子が見えます。
【春日神社】 兵庫県丹波篠山市黒岡
1609年の篠山城築城に際し、現在、篠山城跡のある場所から黒岡の地に移転されました。能舞台(国指定重文)から「篠山層群」を眺めることができます。
少しわかりにくいですが、篠山層群の地層はここにあります
「岩の丘が全て「篠山層群」の露頭です。風化していて少々分かりづらいですが、地層が篠山城に向けて斜めに下るように傾いています。逆に篠山城の地層は春日神社に向けて傾いています。簡単に言うと春日神社と篠山城の露頭は、地面の中でぐにゃりとUの字に曲がって繋がっています。直線距離で400メートルほどという狭い範囲で曲がっているというのは地層としてはなかなか珍しい事です。」(※太古の生きもの館コラムVOL12より)
【春日神社境内内の篠山層群の露頭】
丹波地域はこんな身近に化石が発見された地層を眺めることができる希少な地域です。丹波地域に来られた際には、文化財の中に、ひっそりと現れている篠山層群を見つけてみてください。 ※見つけるだけで、決して地層には触らないでくださいね。