地層を丁寧に観察することで1億1千万年前の天候を明らかにする
篠山層群が露頭(地上に出ていて観察できる地点)を5か所(篠山城跡、春日神社、厳島神社、宮田、川代公園)選定し、柱状図を作ったうえで、それらの地点の堆積環境(川底にたまった砂や泥、堤防が決壊して堆積した泥や砂…)を解析。
その結果「調査地点周辺の環境は、蛇行した河川が流れていて氾濫原が広くひろがっていた環境」だったことが分かった。
またそうした氾濫原では乾裂痕や雨滴痕が存在していることから、湿地や池沼が干上がったり、泥湿地に雨が降ったりしたことが考えられ、当時の天候についての現象も明らかとなった。
京都教育大学 田中里志教授
大学院 1年生 嶋田 麗(平成28年3月当時)
超丹波帯味間層の観察ポイントを詳細に解説
県道77号線(恐竜街道沿い)に分布するこの超丹波帯味間層について詳しい岩相や年代についての調査を行い、丹波地域恐竜化石フィールドミュージアムにおける地層の観察ポイントの策定や説明内容の検討を行った。
調査ルートを西部と東部の2つに分け、西部ではルート沿いの岩相観察と川代公園キャンプ場付近の精密なルートマップ作成を中心実施。東部では同じく詳細な岩相観察と放散虫化石による味間層の年代の確認を中心とした。
その結果、西部では保存の良い化石は産出しなかったが、東部の丹波篠山市清掃センター内の Sugamori (2011)が報告した地点の珪質泥岩からは、保存良好なペルム紀後期の放散虫化石を得ることができ、走査型電子顕微鏡による写真撮影を行うことができた。
兵庫教育大学 竹村厚司教授
竹村静夫 准教授