丹波地域恐竜化石フィールドミュージアムへようこそ!

暮らしのそばで見つかった恐竜

2006年8月7日、篠山川の水で削られた川底から、すごい化石が見つかりました。後に「丹波竜」という愛称で呼ばれることになった、首の長い大きな恐竜の化石です。

この化石が埋まっていた河床は、約1億1000万年から1億年前にできた「篠山層群」という地層です。地元の人たちが驚いたのは、それが普段から遊んだり生活したりしている場所だったことです。

川で遊んだり、すぐそばの田んぼでお米を育てたり、昔は水の力で電気を作ったりしていた場所。そんなところで、世界でも貴重な化石が見つかったんです。

世界の恐竜発見場所は、広い砂漠や人が住んでいない山の奥など、行くのが大変なところが多いです。でもここでは、みんなの生活のすぐそばで恐竜が顔を出しています。

つまり、とっても行きやすい恐竜発見場所なんです!

アメリカの恐竜のご先祖さま

この地層からは、その後もトカゲ、カエル、小さなほ乳類、恐竜の卵の殻など、世界でも珍しい化石がたくさん見つかっています。

恐竜もいろいろな種類が見つかっています。ティラノサウルスの仲間や、頭がいい恐竜と言われるトロオドン類、体に鎧(よろい)のようなものをつけた恐竜などです。

特に2024年に新しい種類として確認された角の生えた恐竜は、体長約80cmとあまり大きくない、進化を重ねていない仲間です。研究者たちは、この恐竜の仲間がその後、アジアと陸続きだった北の道を通ってアメリカ大陸に渡り、進化を重ねて、トリケラトプスのように大きな体と派手なフリルを持つようになったのではないかと考えています。

篠山層群には、アジアからアメリカへと広がった恐竜の進化の秘密を知るヒントが埋まっているんです。

町のあちこちに見える地層

「地層」とは砂や泥、火山の灰が重なり積もったものです。化石だけでなく、虫が這った跡や雨つぶの跡なども地層に残っていて、1億1000万年前の地球の様子を教えてくれます。

篠山層群は横から押されて折れ曲がったような形になっていて、飛び出した部分が丹波市から丹波篠山市にかけて、あちこちで地面に顔を出しています(これを「露頭(ろとう)」と言います)。

この地図で黄色く示されているのが「露頭」です。恐竜などの化石は、丹波竜が見つかった場所だけでなく、これらいろいろな場所で見つかっています。お寺の庭、神社のまわり、公園の中や川のそばなど、いろんなところにあるんですよ。

恐竜からお城までまるごと見学しよう!

昔の人はとても賢くて、篠山層群の露頭をうまく使っています。露頭でせき止められた水を田んぼに引いたり、お城の石垣の一部として使ったり。丹波地域の人たちは、恐竜の地層と一緒に暮らしてきました。

恐竜化石だけでなく、丹波地域の人たちの暮らしの風景も、外に広がる展示物と考えて、全部まとめて博物館として楽しんでほしい。それが「丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム」です。

フィールドミュージアムへようこそ!

ここには、恐竜が生きていた時代の風景はもちろん、その地層の上で暮らす人々の生活があります。ゆっくり見て回って楽しんでくださいね。

見どころ
・進化の歴史や白亜紀の環境が分かる博物館
・丹波竜の全身骨格模型
・化石発掘体験ができる施設
・地層観察ができる露頭めぐり
・露頭を使ったお城の石垣